AIというものに興味はあった。
でも自分には関係ないと思っていた。
プログラムを書いたことはない。
コマンドも知らない。
52歳、自営業。
そんな自分がClaude Codeを使い始めた。
きっかけはXの一投稿
あるとき、Xのタイムラインで「VPSにClaude Codeを入れたらAIが24時間働いてくれる」という投稿を見た。
詳しいことはよくわからなかったが、「24時間働いてくれる」というフレーズが頭に残った。
その日のうちにVPSを契約していた。
勢いで始めたといえば勢いで始めた。
最初の1週間は何もわからなかった
VPSを契約してから、知らない単語が次々と出てきた。
SSH、tmux、ターミナル、コマンド、パス、権限……。Claudeが何かを説明するたびに、知らない言葉が3つ出てくる。
その言葉を調べたら、また知らない言葉が3つ出てくる。
永遠に終わらない気がした。
特に最初の数日は、自分が今何をしているのかすらわからない状態だった。
「コマンドを打って何かが起きた」という手応えはある。
でもそれが正しい操作なのか、何に影響しているのかが把握できていない。
手探りで進んでいる感覚だった。
助けてくれたのがGeminiだ。
Claudeの返答が理解できないとき、スクリーンショットを撮ってGeminiに貼り付けて「これどういう意味?」と聞いた。
GeminiがわかりやすくかみくだいてくれるのでClaudeに返事ができる。
AIを使うためにAIに通訳してもらう、という少し不思議な状態だった。
10日間でできたこと
10日間でできたことを振り返ると、われながら驚く。
VPSの環境構築
シンVPSを契約して、Claude Codeをインストールして、tmuxで24時間動かし続ける環境を作った。
最初はターミナルの黒い画面が怖かったが、今は普通に使っている。
SSH鍵の設定
パスワードなしでVPSに繋がるSSH鍵の設定をした。
TeraTermとVSCodeで詰まって丸1日かかったが、Termiusで10分で解決した。
WordPressの自動投稿
Claudeが書いた記事をPythonスクリプトがWordPressに自動投稿する仕組みを作った。
Pythonが何かも知らない状態から、動く仕組みができた。
音声メモからメールへのパイプライン
iPhoneのショートカットで録音した音声がDropboxに保存され、VPSのClaudeが処理してメールで届く仕組みを作った。
外出中に思いついたことを話しかけると、後でメールに整理されて届く。
プログラムを一行も書いていない。
すべてClaudeに作ってもらった。
思っていたのと違ったこと
始める前のイメージと、実際に使ってみた感覚は、いくつかの点で違った。
「AIが全部やってくれる」ではなかった
「Claude Codeに頼めば何でもやってくれる」と思っていたが、実際は違う。
Claudeが正しい方向に進むかどうかは、こちらの指示の出し方にかかっている。
曖昧な指示を出すと曖昧な結果が返ってくる。
「どういう仕組みを作りたいか」を自分の中で整理してから頼む必要がある。
詰まる原因が技術よりも「言葉」のことが多かった
「なぜ動かないのか」を調べると、技術的な問題よりも「Claudeが違う解釈をしていた」「GeminiとClaudeで使う言葉が微妙に違った」という原因のほうが多かった。
同じことを言っているようで、ボタンの名前やメニューの表記が微妙に違う。
その差を探すだけで時間がかかることがある。
Claudeがたまに頑固になる
行き詰まったとき、Claudeが間違った方向にこだわり続けることがある。
こちらが「それは違う」と言っても、少し変えただけで同じ方向に進もうとする。
そういうときはそっとチャットを閉じて気分転換にChatGPTに聞いたりした。
AIにも「合う・合わない」の場面があるのかもしれない。
正直な感想
楽しいか、と聞かれると、楽しい。
でも、「楽」かと聞かれると、楽ではない。
知らない概念が毎日出てくる。
詰まって時間を溶かすことが日常だ。
SSH鍵の設定に丸1日、tmuxの概念を理解するのに1週間、何かを設定するたびに想定外のエラーが出る。
「これさえできれば終わり」と思った直後に次の問題が出てくる。
それでも続けられるのは、「動いたときの感動」があるからだと思う。
自分が指示を出したものが実際に動く。
AIが24時間作業を続けている。
それが目に見えるのが面白い。
あと、一つひとつは小さくても「できた」の積み重ねが続く。
tmuxを使えた、SSH接続できた、記事が自動投稿された。
大したことではないかもしれないが、昨日できなかったことが今日できる、という感覚が続くのは悪くない。
50代でも遅くないか
遅くないと思う。
ただし、「簡単」とは言えない。
20代や30代のエンジニアと同じスピードで進めるかというと、そうではない。
知識のベースが違うので、同じところで詰まってもかかる時間が違う。
エンジニアなら10分で解決することに2時間かかることもある。
でも「できるかどうか」でいえば、できる。
Geminiという通訳がいれば、Claude Codeとなんとかやり取りできる。
コマンドもGeminiに聞けばわかる。
わからないまま動かせる。
50代で始めることの意外なメリットもある。
焦らない、ということだ。
若い頃は「早く結果を出さないと」という気持ちが強かったが、今は「今日は少し進んだ」で十分満足できる。
丸1日溶かしても「まあそういう日もある」と切り替えられる。
それが意外と長続きの秘訣かもしれない。
50代だからこそ、「動いた」という達成感をじっくり噛みしめられる気もする。
若い頃より時間はかかるが、感動は薄れない。
これから試したい人へ
最初から全部理解しようとしなくていい。
「VPS」「SSH」「tmux」を完全に理解してから始めようとすると、永遠に始まらない。
わからないまま始めて、詰まったらGeminiに聞く、というやり方で十分進める。
一つだけアドバイスするとすれば、「Geminiを最初から使うこと」だ。
ClaudeとGeminiを両方使うのは二度手間に見えるが、実際は通訳がいるほうが圧倒的に速い。
わからないまま格闘するより、Geminiに聞いて理解してからClaudeに返すほうが結果的に早く進む。
最初の一歩はとにかく「契約して動かしてみること」だと思う。
どうせ最初は詰まる。
詰まってから考えれば十分だ。
関連記事:Claude Codeとは|ChatGPTと何が違うのか非エンジニアが使ってみた話


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